
◆奨学金とは
●奨学金は、これから先、大学や専門学校へ進学する際に、家庭の事情(金銭的な問題など)で進学が困難な方を救済する目的で制定されたのが、この制度です。
奨学金の多くは、日本学生支援機構からの奨学金が主流となっていますが、この奨学金は国が運営しており、貸付型の奨学金システムとなっています。
奨学金はこのほか、新聞社運営分や地方自治体や企業団体、それに学校が独自に展開している奨学金がありますが、地方自治体運営分の一部を除いては卒業後の返済義務はないシステムとなっています。これが給付型システムです。
●奨学金の貸付型は、銀行等と云った各種金融機関が発売している教育型ローンと殆ど変らないことから、卒業後は後輩の為に返済してもらう事が義務付けられています。なお、給付型のシステムについては卒業後は返済義務が生じません。
奨学金=借金については、この後紹介していきましょう。
◆奨学金=借金
●大学生の殆どの方が利用しているシステムが、奨学金システムで日本学生支援機構が運営している分は貸付型です。この奨学金は返済の際、利息がある奨学金とそれが付かない奨学金があり、前者は第二種奨学金、後者は第一種奨学金がそれぞれ採用しています。
(なお、選考条件に関しては後者が厳しい)
奨学金、その本来あるべき意味をひも解いてみましょう。
奨学金。本来は、学業優秀の成績を有する者が受け取る権利があり、返済義務は一切生じないものです。欧米各国はこのタイプを使っていますが、日本の場合はどうでしょう。
確かに奨学金とは謳っています。しかし現在の日本の貸付型奨学金(とくに第二種奨学金)は、実質教育ローンそのものを日本学生支援機構が学生に貸し付けているようなもので、借金をしてでも大学や専門学校、あるいは大学院で学生生活を送っているようなものです。
●この奨学金ですが、立派な借金です。当然ながら返済義務が生じますし、最近では滞納者が続発する事態となったため滞納者を信用情報機関へ登録するシステムを採用しました。卒業後目立つ滞納者に対して、奨学金を返済するよう督促をし、それに応じない場合は裁判所から給料などの差し押さえをするといった最悪の事態になるからです。
つまり、奨学金そのものは借金であり、大学を卒業したら返済額は最悪の場合1000万円近く返済しなければならないのです。借金である奨学金を返したくても、長い不況生活の影響で定職に就きたくても就けない方々が続出し、大学時代に活用した奨学金を返済したくても、その返済までにお金のやりくりをしたい。しかしそれがままならない方々が増えています。
平成3(1991)年のバブル景気崩壊後、相変わらず終わることを知らない平成不況と、それによって悪化していくばかりの雇用情勢が、奨学金滞納問題までをも生じてしまい、奨学金を返す側も雇用情勢の悪化等で仕事が無くて困っているが為に、奨学金返済をしたくてもそれがままならないのが現状のようです。
奨学金返済の為には水商売のバイトをして、少しでも返済を早めたいと躍起になる女子大生の方もいらっしゃるくらいで、これが社会問題になるくらい深刻な状況なのです。
●奨学金を滞納してしまうとブラックリストに当然掲載され、自動車ローンや住宅ローンを組みたくてもそれが出来ず、銀行から門前払いを受けてしまった例もあります。
そうならないためにも、自分の家庭の身の丈を見極めながら、将来的に返済しなくてもいい奨学金と、貸付型奨学金の利用をよく見極めながら慎重に決める事が、大学や専門学校を卒業して社会に飛び立った時、借金に困ることが無い生活を送れるきっかけになればと思います。
