◆奨学金について
●高校三年生のあなたは、卒業後は進学を決めています。大学や専門学校へ進学して、少しでも多く勉強してこれからの自分に役立てたいとしているからです。しかし、家へ帰って親御さんと卒業後の進路について相談したところ、お金の問題でだめと突き放されることでしょう。これは家の揉め事の五本指に入ってもいいくらいの問題でしょう。
困ったあなたは、学校の進路指導の先生にすべてを打ち明けてしまいます。そこで、進路指導の先生から提案されたのが、奨学金という制度です。
●奨学金については大きく分けて二種類あります。
①貸付型奨学金
あしなが育英会や日本学生支援機構の奨学金が、このタイプの奨学金となっています。基本的には金融機関が発売している教育ローンとシステムが同じで、卒業したら返済していただく制度となっております。あしなが育英会に関しては条件そのものが日本学生支援機構のと異なります。
無利子型→あしなが育英会と日本学生支援機構の第1種奨学金
卒業後は利子無しでの返済となります。
有利子型→日本学生支援機構の第二種奨学金
卒業後は親の収入をもとに、3%程度の利子が付くことになります。
②給付型奨学金
新聞社や企業、自治体や学校などが運営している奨学金システムです。基本的には卒業後の返済をしていません。
こちらは申し込み条件が前述するあしなが育英会や日本学生支援機構などと異なります。
また、新聞社が運営する新聞奨学生については、販売店でアルバイトをお願いしてもらうことになりますが、奨学金以外にアルバイトのお給料までが支給されますし、場所によっては居住場所や食事までも支給されるので、地方から出てきた方が親に負担をかけさせたくないということで、実際に利用している方がいらっしゃるくらいです。
このように二種類の奨学金があることをお分かりいただけたと思います。利用される際にはそれぞれの長所と短所を理解したうえで検討してみることをお勧めします。
◆正社員と返済額
●奨学金を活用しながら、あなたは無事に卒業できました。大学生活後半には就職活動もこなし、正社員として会社へ採用され卒業後は晴れて仕事をすることになりました。
と云う事は、奨学金を活用して卒業したわけですから、奨学金は返済していかなければなりません。
返済額そのものについては、奨学金の種類によって異なりますし、貸付型ならば第一種と第二種があり、利子の有無によって返済金額そのものが異なります。
第一種奨学金は利子が付かないので、奨学金そのものを返済している形になります。しかし、第二種奨学金については奨学金のほか利子なども追加された状態での返済となります。返済額については、以下の通りです。
●第一種奨学金(自宅外通学で国立大学へ進学した場合)
→(貸与金額51000円に対し)返済額は約250万円
自宅外通学で私立大学の場合は、(貸与金額64000円に対し)返済額は約300万円
(月々の返済額は約15000円と見積もっておく)
第二種奨学金(国立・私立問わず)
貸与金額8万円を例にした場合、約517万円が返済額となる
(月々の返済は約22000円と見積もっておく)
と、返済額はこのような感じとなりますが、第二種奨学金については貸与金額ごとによって返済額に差が出るので、第二種奨学金を利用する方は返済額に注意してください。
なお、給付型奨学金については卒業後の返済義務は生じませんので、これには該当しません。
奨学金の貸付型を利用した方は、社会人になったら返済義務が生じますので後輩たちが安心して勉強が出来る事を願いながら、「頑張れよ!俺も応援しているぜ」の精神で返済していきましょう!
奨学金の返済は、後輩へのエールを送る気持ちで!
