◆奨学金制度の概要
「奨学金」と言う言葉だけを聞くと「学校や企業・団体が優秀な成績の学生にお金をあげて学費を援助するシステム」と言った感じのイメージを持っている人がいるかも知れませんが、これは半分は正解で、半分は間違いと言ったところでしょうか。
まず、奨学金は別に「優秀な成績」ではなくても、「ふつうの成績」でも利用することが出来るのです。
そして、奨学金制度のほとんどは「お金がもらえる」のではなく「無利息もしくは低利息でお金を借りる」というシステムです。
中には返済(返還)不要で学生に給付する奨学金制度もありますが、それはごく一部のケースですし、それこそとても優秀な成績でなもない限り奨学生として奨学金を受けることはできません。
もちろん大抵は家計状況を考慮されるでしょうから、たいへん優秀だけど生活が苦しい学生が対象となります。それが本来の意味での奨学金制度ではないでしょうか。
ですから、それ以外のほとんどの奨学生は必ず借りた奨学金を返済する義務があるのです。
利息が付くタイプなどは、はっきり言えば住宅ローンやら自動車ローン、カードローンと大差ないともいえます。とはいえ無担保で借りられて、低金利であり、在学中は無利息だったりと条件は良いので、比較的健全な借金と言うことはできると思います。
◆育児のための生活費
女性が学生時代に奨学金制度を利用するケースで、その返済を終えぬまま、結婚、出産し、育児と生活費と奨学金の返済に追われるというケースがあります。
奨学金の負担は決して軽くありません。男性でも社会に出てから、奨学金の返済に追われ、完済するまで、結婚できない、という事例があるのです。それが女性の場合の奨学金の返済となると、返済に追われて婚期が遅れてしまい、その結果、結婚、出産、などといった将来の人生設計に、男性以上に大きな影響を及ぼすということになります。女性の場合、奨学金制度を利用する際は、このような諸々のリスクを考慮して判断すべきだと思われます。
