◆ 不動産投資のリスク
● 不動産投資にもさまざまなリスクがある。大きく分けると「収入が減ってしまうリスク」と「支出が増えてしまうリスク」といえるだろう。賃貸住宅を前提に、それぞれの主なポイントについて説明しよう。
収入が減る要素でもっとも大きいのは「家賃下落リスク」だ。マクロ的に見れば、日本全体が少子高齢化で人口減少社会に入っているわけですから「家賃は上がらなくなる」、あるいは「下がって行く可能性が高い」と考えておいたほうがいいだろう。
しかし、地域や物件よって大きな差がある。まず、地域でいえば、たとえば東京のように人口が増え続けている場所がある。県全体では減少していても市町村単位では、また特定の街では人口が増えていることもある。インフラ整備も進んでいれば、家賃下落リスクは小さいといえるだろう。
郊外は一般に家賃下落リスクが高いといわれるが、一概には決めつけられない。大学や企業の研究所が集まっているようなエリアでは、安定した賃貸需要が続き、値下がりしていないケースもあるからだ。先入観にとらわれず、調べてみるといいです。
また、同じエリアでも物件ごとに動きは違う。最寄り駅からの所要時間、コンビニやスーパーなどの生活利便施設の充実度、物件の間取りプランや管理状態などによる差だ。これらの条件を踏まえ、入居者ニーズのある物件をきちんと選別すれば、家賃下落リスクを抑えることができる。
収入が減るリスクで、家賃下落と並んで影響が大きいのは「空室」だ。これについても、人口動態など大きな意味合いでの賃貸需要の動向と、個別の物件による差がある。したがって、マーケティング調査を綿密に行い、良い立地と物件を見極めることによって、リスクの大きさをある程度はコントロールできるといえるだろう。
立地や物件もそれほど悪くないのに、空室率が高いケースもある。このような物件の良し悪しを判断するには、空室の内訳をチェックすることが大切だ。
