◆火災保険について
家賃により収益を得る不動産投資では、収益を圧迫するコストをできるだけ抑えたいところだ、ローン金利や税金、修繕費などのほか、火災保険料も物件がある限りずっと負担するコストのひとつ。それでも物件購入時のバタ。バタで、勧められるままに急いで契約してしまった、という方は少なくないのではないだろうか。
いうまでもなく、補償が手厚いほど保険料は高くなる。また割引がきくとはいえ、長期の火災保険では当初はまとまった保険料のためのお金も必要だ。大切なことは、補償面、コスト面、期間の面でも納得のいく火災保険・地震保険を、しっかりと「選ぶ」こと。それが非常事態にも頼りになるリスクマネジメント策であるとともに、適切なコスト負担なら収益性のアップにも貢献する。
もう契約してしまった方でも、改めて見直してみることをお勧めします。長期火災保険を契約した場合であっても、途中で解約すれば、未経過期間分の保険料は戻ってくるため、無駄にはならない。
◆注意すること
● 火災・落雷・破裂・爆発などによる建物被害は再築額 が100%保障されますが、水害や竜巻、地震などの自然災害では、再築や修繕に必要な金額が全額保障されるわけではなく、見舞金として支払われる災害もありますので、特定の自然災害が発生しやすい地域での契約は十分に留意しておく必要がある。
大家さんが契約するのは建物を対象にした火災保険だ。一戸建てでは建物および門や塀、カーポートなどが建物の範囲となる。一方で分譲マンションの場合、大家さんが掛けるべき火災保険は専有部分の建物部分、つまり戸室内の内装や設備の部分だ。共用部分についてはマンションの管理組合が掛けているが、その内容もしっかり確認しておこう。マンション管理組合の地震保険の契約率は3割ほどと低めで、契約をしていないケースも少なくない。とはいえ、修繕積立金が十分でなく地震保険金も受け取れない状況でマンションが地震被害に遭うと、所有者の持ち出しが必要となったり、修繕への合意形成が困難を極めるなどマンション特有の問題が発生するかもしれない。
