◆ 空室率の比較
● 日本の平均空室率は23%前後と言われているが、地域によって大きく異なる。例として、東京では16.5%、埼玉では22.4%、群馬では32.6%となっている。
都心の方が空室率が低いというのは明らかな状況にある。
◆ 表面利回りの比較
● 表面利回りについては、比べるまでもなく地方の方が高い。築10年から15年の木造物件の場合、東京23区では表面利回り7%程度に対し、群馬では10%程度となっている。
◆ 管理会社の質の比較
● 都心の方が競争が激しく新しいものへ寛容だということです。定期借家契約なども都心の管理会社の方が対応してくれることが多いという印象を持っている。
◆ 原状回復コストの比較
● 原状回復コストの㎡あたり単価は日本全国どこでも基本的に同じになる。だが家賃の㎡あたり単価は都心の方が高く、地方に行くにつれて低くなる傾向がある。このため、家賃に対する原状回復コストを比較すると都心の方が低く、地方の方が高くなる。
つまり、家賃に対する利益率が都心の方が高くなりやすいと言える。
◆ 結局はどっちが得なのか?
● 都心物件の方がメリットは多そうに見える一方で、表面利回りにかなり大きな差があるため、結局のところどちらの方が得なのかがいまいちわからない。
そこで、ここでは物件を仮定してどちらが得なのかを検証してみる。例は単身ワンルームとし、都心物件は家賃6万円、地方物件は家賃3万円と仮定する。
◆ 都心物件の利益率
● 東京の空室率は16.5%だ。
これ以外にも4年に1度の退去時に原状回復費が10万円発生すると、この費用は家賃の3.5%となる。このため、都心物件は満室家賃の80%が利益となる。表面利回りが7%程度なので、実利回りは5.6%程度になると計算できる。
◆ 地方物件の利益率
● 群馬の空室率は32.5%です。これ以外にも4年に1度の退去時に原状回復費が10万円発生すると、この費用は家賃の7%(家賃が低い分東京よりも費用負担が大きくなります)となります。このため地方物件は満室家賃の60.5%が利益となる。
表面利回りが10%程度なので、実利回りは6%程度になると計算できる。
